さらっとライトなラブコメ韓ドラ「コンビニのセッピョル」
コンビニのセッピョル(2020年)全24話
作品の感想
イケメンだけどお人よしのコンビニ店長 デヒョン(チ・チャンウク)と元不良で実は苦労人のアルバイト セッピョル(キム・ユジョン)の恋愛模様を描いた作品です。
ホントのところ不良ではないけどケンカはめっぽう強いセッピョルは、両親を亡くしてから高校を中退して働きながら妹の面倒を見てきた良いお姉ちゃん。以前から片思いだったデヒョンが経営するコンビニのアルバイトに採用されるところから物語ははじまります。ベタベタのラブストーリーではなく、コミカルな映像演出もあり、さらっとライトなラブストーリーです。
デヒョン役のチ・チャンウク、セッピョル役のキム・ユジョンともに美男美女でビジュアル的には◎。ケンカのシーンには、コミカルにアニメっぽく加工された映像もありました。(殴られた人が鼻血を吹き出しながらぶっ飛んでいくとか…w)
暴力シーンをシリアスにしすぎないよう、あえてコミカルに仕上げているのでしょうか。苦しくなるほどの切なさや、胸キュンシーンはあまりなく、個人的には全体的にちょっと物足りない感じは否めない…。まあ、それもあって観終わったあとの疲労感も少なめです(笑)。
ここからはネタバレ要素がありますのでご注意ください。
私の好みからすると、残念だな~と思うところがいくつかありまして…。
①
実はセッピョルは、コンビニのアルバイトになるず~っと前からデヒョンに片思いしていたんです。その間なんと10年間!一途すぎて涙ものです(笑)。12歳のころに偶然デヒョンに助けられ、そこで恋心が芽生えます。でもコンビニのアルバイトになる3年前、セッピョルが高校生の時に二人は一度道端で再会するのですが、このシーンがちょっと…。セッピョルがデヒョンに唐突にキスしちゃいます!デヒョンは知らない女子高生にいきなりキスされたわけで…。
デヒョンはセッピョルがアルバイトに応募してきたとき、3年前に道端でキスされた女子高生だと気付きますが、物語の後半ではセッピョルが10年前に助けた少女だと気付いていたことを明かします。だったらこの道端の再会シーンは要るのかしら…。10年前のあの少女に再会、というひとつのエピソードに絞った方が感動が高まるのにな~。
②
デヒョンのお母さんが強烈キャラなのですが、せっかくの尖ったキャラを活かすシーンが最後のほうに少しあるだけで残念です。
デヒョンはコンビニを経営する前は、コンビニ本社で働くサラリーマンでした。そのときの上司がデヒョンの彼女です(途中で別れて元カノになりますが)。元カノはお金持ちの一人娘で、元カノの母親は庶民を見下すなかなかのムカつくキャラ設定。デヒョンに「顔だけはいいのね(他はダメだけど)」なんて言っちゃうんですから!
デヒョンのお母さんが元カノや元カノのお母さんにスパッと物申すシーンがあったらスカッとするのにな~。
③
物語の半ばまで、デヒョンには彼女がいてセッピョルの片思いは続きます。二人の関係はコンビニ店長とアルバイトのままです。デヒョンはセッピョルの存在が気にはなっているのですが、セッピョルに惹かれていく過程が薄くて、いつから好きになったの?と思っちゃいました。デヒョンがセッピョルに惹かれていって、どんどんギアが上がっていってるぞ!と思えるようなエピソードがいくつか欲しかった。デヒョンがセッピョルに告白するシーンでは、「あれ、あ、告白しちゃうんだ…」みたいな感じでした。「そんなにお互い想ってるんだから、いい加減くっついちゃいなよー!」って思わせるくらい盛り上げてほしかったな~。
おまけで④
チャンウクはイケメンで大好きですが、この役はちょっとお人よしでどんくさい設定なのでパキッとカッコいいチャンウクは封印です(笑)。スウェットズボンのすそを靴下の中に押し込んだファッションだったり、元カノのご機嫌をとっていい人を演じすぎて惨めになったり、軽トラに乗ってお金持ちの元カノの家に配達に行ったり…。やさしくて庶民的で現実的なんだけど、「チャンウクはクールでカッコいい役がお似合いですーっ!」と叫びたくなりました(笑)。
結局、このお話し、最終話まで二人の恋愛は始まらないのです。最終話でやっと二人は両想いになって、ここから二人の関係が始まるよ…。ってところで終わりなんです。いやいや二人の幸せなところ見せてほしかったよ~って、何だか消化不良な感じが残りました。そして韓ドラのラブコメには珍しく、最後まで二人のキスシーンがないんです!あるのは3年前の道端での唐突なキスだけ。キスシーンは韓ドラの醍醐味ですから、ある意味、斬新な作品だったな~と思いました。